最近ミニベロを買いました。サイクルベースあさひの企画するアウトランクです。14インチの小径車輪でフレームに持ち手があるというユニークな設計に惹かれて購入しました。
さて、このアウトランクを使っているとあることに気が付きます。というか小径車を使っていたら気づきますが、Vブレーキシュー のサイズを気にしなければならないのです。
というのも車輪径が小さいので、曲率半径が小さいせいで700cなどに適合するブレーキシューだとリムからシューがはみ出ます。かっこ悪いし、いざギリギリにセッティングするとタイヤにする可能性もあるので、ここはなるべくサイズが合うブレーキシューを探したいところです。
ところで、シマノが昔に販売していたカプレオをご存じでしょうか。カプレオは小径車用のコンポーネントで、今回のようなケースにピッタリな部品を出していたのです。
それが俗に「カプレオの舟」なんて呼ばれていた部品で、「ロードバイク用のシューをVブレーキに取り付けられる」というものでした。
ですが、カプレオが廃盤になって久しく、市場ではカプレオの舟は販売されておらず入手困難です。
そして、今回レビューするTIOGAの「453CV-2」はその「カプレオの舟」の代わりになりそうなので、実際に購入して使ってみることに。
453CV以外の選択肢としては、TEKTROの「720.12 BR-TK-155」はシマノ製のシューが加工なしで取り付けられるとのことで、間違いなさそうです。ですが、この製品でシマノのシューを使えるかレビューをしている人がいなかったのたので、この製品自体のレビューを残しておきます。
TEKTROだけは嫌い!許せん!という方は消去法的に453CV-2を選ぶことになりますしね。他だと結構お値段が張ってくるのと思います。別に私はTEKTROは全然嫌いじゃありません。TRPの製品を気に入っているぐらいなので寧ろ好きな部類になりますね。
なぜ453CV-2を選ぶことにしたのかというと、単純に在庫の都合です。TEKTROは現在サイクルベースあさひが代理店をしているので、アウトランク購入ついでにTEKTROの「720.12 BR-TK-155」を取り寄せてもらおうと思ったのですが、在庫がなく、次いつ入荷するかも目途が立たないとのこと。
こればかりはTEKTROが製造してくれないことにはどうしようもない状態なので、類似製品にあたる「453CV-2」を取り寄せてもらいました。AmazonでTEKTROのを買おうと思えたら購入できたのですが、せっかくなら、あまり情報が出回っていないものを使おうというのと、お世話になっているのでそこで部品を買おうかなと思った次第です。
ちなみに、この前世代の製品にあたるTIOGA「453CV」はシマノ製のロードシューのR55C4などを入れようとすると、シューを削らないといけないとのことでしたが、このマイナーチェンジ版の「453CV-2」には取り付けられるのかは後で確認します。
というわけで、まずはパッケージの確認から。こんな感じです。
マイナーチェンジ前のモデルの453CVでは、シューがオレンジ色でしたが、453CV-2になってからは黒色です。個人的には色付きでも黒色でもどっちでも良いと思うので、そこら辺の好みの場所は無評価です。
実際に開けてみて早速重量を測定します。以下のようになりました。
付属のシューも含めて50gとそこそこ軽量です。必要かはさておき、次にシューのみと舟とねじのみの測定結果を示します。
ここら辺のシューのみが軽いとかそういうのは普段調べていないのでわかりませんが、手で持った感じだと、普通の重量ではないでしょうか。
さて、気になる方も多いであろうシマノのシューが取り付けられるかを試していきます。まず今回用意したのはR55C4のカートリッジシューです。
ひとまず家にストックされていた新品を出してきました。微妙に削れた古いR55C4も所持していたのですが、ここは検証用ということで新品を使ってみます。
はめる前に一応ですが、付属のねじが使えそうかを確認しておきます。
見た感じはねじピッチも長さも問題ありません。R55C4に付属するねじには回り止めが塗ってありますね。こちらは問題なさそうなので、次にシューを外観で比較して問題なさそうか見てみます。
外観から見てもあまり問題は無さそうな感じはします。少しだけシマノ製のシューは下側に曲がっているというか下側が分厚いような気もします。脱落防止ねじの位置もほぼ同じですし期待できそうです。
では、実際にはめてみます。
実際に取り付けてみたところ、無加工で取り付けができました。
ですが、取り付けた感想でいうなら非常に硬かったです。まさに何とか取り付けたという言葉がぴったりなぐらいです。ハンマーでたたいて入るぐらいのイメージです。私は力づくで押し込みましたが、それくらい固く、シューを外すときは難儀しました。
個体差もあるのかもしれませんが、それを言うのであれば、右と左のシューでも別個体ですから、右側が固くて、左側がすんなり入るなら個体差で片付けられると思うのですが、どちらも同じくらい固かったので、おそらくこれが正常なのだと思います。
別に形状が違うとかそんな感じもしないんですが、やはり微妙に設計的にあっていないのかなとは思います。微妙に大きく見えるのは遠近法の都合です。
純正のシューも結構きっちりはまっていたので、元がきつめに作られていて、シマノシューは少し大きめなのかその分さらにきついような感じがします。
なので、シマノシューを利用するなら下側を少しやすり等で削るのが入れやすくて良いかと思います。ずっとシマノのシューしか使わないというのであれば、体を削るという手段もあるかもしれないですね。
じゃあ他のシューならどうなんだろうかということで、手持ちで使っていなかったシューで試してみました。まずはTRPのロードカートリッジシューを使ってみました。RG957に付属していたもので、使っていなかったので実験台になってもらいました。
こちらはシマノ製のものよりもすんなり取り付けができました。やはりシマノが他のメーカーに比べて少しだけ大きい説があっている気がしてきます。
余談ですが、このTRPのブレーキについてくるねじの頭の部分が3mmで、シマノや453CV-2付属の2mmに比べて1mm大きかったです。ですが、ねじピッチや、太さは同じなので問題なく取り付けられました。
後はもう1個、適当なメーカーのオフセットブレーキシューを買ったときについていた付属のシューをはめてみました。
こちらは純正ぐらいすんなり入りました。すんなりって言っても多少は固いです。設計がピッタリなのでしょう。
やはりこの結果から見るにシマノ製のシューが少しだけ他社のものに比べて大きめに作ってあるんでしょう。
シュー周りの検証はこれくらいにして、後は実際に取り付けてみます。これを買う人はシュー自体の評価はどでも良いと思うのでそこは評価しません。後は問題なく取り付けられれば良いでしょう。
というわけで実際に取り付けてみました。
リニアプルブレーキ用ですが、何ら問題なく取り付けられます。見ての通りVブレーキシューと形が一緒ですしね。あまりにもVブレーキが開きすぎてしまう場合はスペーサーを内外で入れ替えれば問題なく使えると思います。私は入れ替えました。
シュー交換と共にVブレーキ本体の交換も行っています。実際に使ってみると、以前より効きは良くなりました。シューの性能というよりは、ホルダーの剛性アップが大きく効いているように感じます。なので、ホルダーの性能は問題なしと感じました。
こうやって色々試してみた感じだと、シマノ製が無加工で取り付けられるのは嬉しいですが、もう少しすんなり入ればありがたいなと感じました。
逆にシマノ以外はそこまで苦労しなくても取り付けることができたので、様々なシューを試す楽しみにはなりそうですね。シマノのシューは私に関してはロードバイクで使い飽きているので街乗り自転車でシューを変える楽しみがあるのはうれしいですね。
最後にまとめておきますと、こんな感じですね。
- ロード用のシューが使える
- シマノシューは無加工で取り付け可(ただし非常に硬い)
- シマノ以外なら多少は楽に取り付けられる
- Vブレーキに使える
- ミニベロにおすすめ
こんな感じですね。私はしばらくこれを使ってみようと思います。もしどうしても気に入らなければTEKTROの720.12も買ってみようかなと思っています。
以上です。お読みいただきありがとうございました。