最初に、この記事が何かを説明すると、PCBを作ったけど買いたい人がいるか、いるならどれくらいかを調べるための記事になります。もし十分な数があれば販売しますし、無ければ販売されないという形になります。
(追記)販売することになりました。詳細は以下のページで紹介しています。販売にあたって仕様が変わっていますので、購入前は必ず読んでください。
私が初めて自作キーボードを作った理由は、気に入ったキーキャップがあったから。求める条件は日本語配列であること。右下のCtrlやAlt、Shiftは使わないので、周辺は多少変則的でも構わない。
個人的には分割スペースも嫌いではありませんが、文字を書く以外の用途でゲームなんかにも使おうと思うと、やはり一般的な長さのスペースバーの方がありがたいです。というのも、ゲームだと雑にスペースやシフトなどのキーを押すので、分割スペースなどで短くしてしまうと、違うキーを押してしまう可能性があるからです。
加えて、私はキーキャップが気に入ったので、できればキーキャップを揃えて使いたいわけです。そう思いながら分割スペースを試してみたいというのもあり実際に組み上げたキーボードがこれです。
こんなブログを書いている文字書きの私としては慣れてしまえば使い心地の良いコンパクトなキーボードです。この並びが悪いと批判するわけではありません。
ですが、上述したように、ゲーム用途など他の用途を考えるとこのキーボード一つでは少し不便なのです。「じゃあ、もう1個キーボードを買えばいいじゃん」とならないのが一般的な感性です。1個で済ませたいですよね。
具体的にこの並びの何が気に入っていないかというと、分割スペースの部分です。この部分は使用しているキーキャップのスペースのサイズに合っていないためこのような配置にせざるを得ないわけです。
なぜその並びにできないかは単純で、その位置に合う穴がないのと、4.25Uサイズという特殊なサイズのスペースバーがないからです。後、それに合うスタビライザーのワイヤーもありません。
端的に私の理想のに近い配列を言うのであれば、CORSAIRのK65 RGB miniの並びに近いわけです。
このキーボードは日本人に対してよく考えられていて非常に完成度は高いと思います。ある程度のキーの割り当てもできますし、LEDのライティングもありますし、何よりメーカー製。このキーボードの唯一気に入らないところは矢印キーの位置だったり、それが独立していないことです。後は買ってみないとどこまで細かく設定できるかわからないところでしょうか(これはどの製品も同じですが)。
そのような不満点があるので、いっそのこと自分の求めるキーボードを作ってしまえ!となったのですが、その際に気になることがあったのでこの記事を書いた次第です。
この記事を読んでいただいている方にお聞きしたいのは「もしこういうPCBがこの値段で販売されたら購入したいか?」です。
なぜこのようなマーケット調査を行うのかというと、PCBのデザイン自体はほぼできているのですが、製造にかかる費用が案外高いのです。小ロットだとPCBだけで1枚1万円前後しそうな見積もりでした。これに開発費用が乗ると考えると…販売には程遠い価格設定をせざるを得ないなと。
それに対してある程度の数量になるとある程度安価(3桁以上だと案外安く)になるので、購入したい方が多ければBOOTHなんかで販売してみようかなと考えたからです。
筆者は物品の販売経験がないので、経験としてやってみたいという願望もあったりします。このような調査をして需要があれば販売してみたいなと。量産などの工程もあればとても良い経験になるとも考えています。
販売をしてみたいと言っても、物が無ければ始まりませんが、実はある程度デザインはできています。
このPCBは以下のような特徴を持っています。
- 入手性の良い以下のキーキャップに対応し、標準的な配列の60%日本語配列のキーボードを組める
- FILCO Majestouch用日本語キーキャップ(4.5Uスペース)
- CORSAIR PBT DOUBLE-SHOT PRO日本語配列(4.25U)
- これ以外にも英語配列など豊富な配列に対応
- 2U左シフトの配列にも対応
- CHERRY互換スイッチに対応
- スイッチははんだ付け(ホットスワップ非対応)
- マルチレイアウトだと困難なため
- マルチレイアウト用トッププレートとの固定力の兼ね合いもある
- 一般的なPokerやGH60互換の60%キーボードのケースに対応
- QMKによるプログラマブルなデバイス
- マイコンにはSTM32F303CBT系(CBT6でほぼ決定)
- PCB上に実装済みのため、Pro Microのような別デバイスのマイコンは不要
- スイッチのみはんだ付け、他はケース固定のねじぐらい
- 販売時にはトッププレートが付属
- 2U、2.25U左シフト用のもの
- FR-4素材(アルミだとさらなるコスト高…)
- ワイヤーも同梱
- 4.5Uと4.25U用のもの
- ハンドメイド品の予定なので品質的にはおまけ程度
- 価格はトッププレート2枚とPCBとスタビライザー用のワイヤーで15,000円程度、ケースも同梱するとなるとプラケースで18,000円程度になる予定
- (動作未確認ですが、LEDも実装すればおそらく使えます。スイッチ側のシングルチップとRGBアンダーグローの両方のパターンはあります。未確認なので、動いたらラッキー程度に思っていてください。)
長くなりましたが、こんな感じです。具体的な対応レイアウトはこのようになっています。振られている文字は適当です。マッピングで変更できるので、配列だけ見てもらえれば。
類似製品とのメリットデメリットをまとめます。
メリット
- 複雑なレイアウトに対応
- 一般的な日本語配列に対応
- 入手性のよいキーキャップを使用可能
- 60%汎用ケースに対応
- ATMEGA32U4よりも性能が高いチップを採用
デメリット
- 価格
- ホットスワップ非対応
デメリットの方だけコメントしておくと、トッププレートが2枚したり、スタビライザーの専用ワイヤーを2本付属することを考えると、ひどく割高なわけではありません。また、安価に見える製品でもキーキャップを複数用意する必要があったり、トッププレートが別売りだったりすることを考えると、高すぎるわけでもありません。見かけが高く見えるというだけです。というかこれでも色々マージンを考えるとギリギリです。
ホットスワップ非対応に関してはデメリットだと思いますが、マルチレイアウトの場合、デメリットだとは言いにくい面もあると考えています。というのも、マルチレイアウトだと穴だらけで、Kailhのホットスワップソケットが使えないので別のものを使うことになります。それが、穴にピンをあらかじめPCBに取り付けておくタイプ。
これを使えばできないこともないのですが、トッププレートがマルチレイアウト用に大きく切られているため、スイッチの固定が甘くなりやすく、故障の原因になる可能性が高いです。そのため、必ずしもデメリットになるとは考えにくいです。長く使うという目線ならはんだ付けが良いと考えています。スイッチのはんだ付け自体は簡単なので、外すのも簡単ですしね。
個人的な感覚で言うと、スイッチを嵌め込んで作るだけじゃ達成感というか自作キーボードした感が薄くてつまらないと感じるのもあったりします。ターゲット的には自作キーボードをするすべてのユーザーに向けてという感じのPCBなので、初心者の方が作ったぞ!!って思ってもらえるような基板であったら良いなというのが正直なところなのです。だからこそ一番部類としては簡単なスイッチのみのはんだ付けという形になっています。何よりはんだ付けで作った自作キーボードの作った感はすごい。
長くなりましたが、このような特徴のTH60JPですが、買ってくれる、出たら買いたいって方はいらっしゃいますか?仮に販売するにしても、確認やファームを書く作業もあるので、早くても数か月は先になると思います。時間があるときに作業すると思うので、
もし、欲しいという方がいれば以下のアンケートに答えてください。購入したいと考える人の数の参考にさせていただきます。また、当サイトは小さな個人ブログのため、簡単には検索に引っかからないと思うので、もし偶然見つけて、欲しいという方は広めていただけると、販売できる可能性が上がるのでよろしくお願いします。アンケートは重複を防ぐため、Googleアカウントでのログインが必須になっていますが、こちらで情報を収集することはありません。
最後にどうでも良い感想でも。最近、物価高、半導体不足、円安のトリプルパンチで製造コストが高すぎて泣けます。正直、価格は高い部類にはなっていしまいますが、それは仕方ないかなと諦めの気持ちが大きいです。類似製品に関しては1年以上前から販売しているとかで安価な時代の製造分だったり名残みたいなところはあるでしょう。これから値上げラッシュでしょうし、もしかしたらTH60JPの価格設定ですら安いと思われる世界がやってくるのかもしれませんね。嫌になりますね、ほんと。
こんにちは
60%キーボード自作で検索したら出てきたので少しコメントします。
私は5月に60%キーボード基板を発注し組み立てて今使っています。
試作のが1年前だったので、基板製作費は3割上がって困りました。
私のキー配列は、特殊なので参考にはならないですが一応サイト書いておきます。
莎華(SAKA)さん
こんにちは。コメントありがとうございます。
リンク先の記事を拝見させていただきました。
基板設計をして発注までされたんですね。自分の追い求める理想を追求できたようですね。
やはり製作のコスト上がっていますよね…
ドル円レートが上がっている以外にも、半導体品薄の影響を受けて様々な部品がドルベースでも値上がりしているので想像以上にコスト面が厳しくて辛いですね…
私の追い求める理想は、日本語配列対応の好きなキーキャップだけで組めることなので、この理想を追求していきたいですね。