SanDisk Industrial microSD 8/16GBの長期レビュー!耐久性やベンチマークなど

表の写真

前にサーバー運用をしていたRaspberry PiのmicroSDが何枚も壊れてからRaspberry Piに向いた耐久性のあるmicroSDカードを探していました。そんなときに出会ったのがこのSanDisk IndustrialというmicroSDカードです。この製品を初めて買ったのが約2年前とかでしたが、この製品の情報って全然見つからないんですよね。レビューしている人も個人じゃ私の探した限り一人でその方もベンチとか耐久性とかではなくて買いましたみたいなことだったので、性能とか耐久性のレビューはネット上で見つけられなかったので、良ければ参考に見ていってください。

目次

写真レビュー

ひとまずここは写真から紹介しておきます。表と裏の写真と送られてきたときのパッケージの写真をのせておきます。バルク品を買ったのでこのパッケージでした。

表の写真
裏の写真
バルク品で購入したときのパッケージ

まあmicroSDなんて使ってこそなので写真見たところでというものあると思うので買いましたよっていう証明としてのせておきます。なんか表面の端の塗装が取れていますが、Raspberry Piに差し込んだ時に私がなかなかmicroSDカードが抜けなくて爪とか安全ピンでゴリゴリしてたら削れてしまいました。ですが実使用には問題問題ありません。裏面には「MADE IN CHINA」の刻印があります。これを見たとき別に中国製でもなんでもいいんですが、長持ちしてほしいなというのが第一印象でした。あと中国製の記述があるところがシールみたいなのが張られているように見えますが、はがすと金色の端子が見えるということが別のmicroSDで削ってしまったときに明らかになったので、気になる方もいるかもしれませんが絶対にはがしてはいけません。

SDSDQAF3-008G-IとSDSDQAF3-016G-Iの公称値と仕様について

なんでわざわざ型番をタイトルにしているかというと、公称値が全然出てこないんです。色々頑張って調べてみたのですが取り扱いのあるショップで書いていることが全然違います。日本語で公式に取り扱われていないわけではないと思うのですが、日本語で検索するとデータが乗ったページにたどり着けません(産業用なだからでしょうか)。これが買うか買わないかを左右することもあると思うのでしっかり書いておきます。

まず、とあるショップではこのように書かれています。

読み込み/書き込み 20(MB/s)/20(MB/s)

要は読み書き20MB/sってことですね。そもそもこのSanDisk Industrial っていうSDカード系のカテゴリーはデータの保証というか確実性のためにコントローラで読み書きに上限を付けているとのことです。そのため最高速度は低速になるとのこと。

しかしここで問題が発生します。ほかのサイトを調べているとこのような表記を発見。

〇シーケンシャルリード80MB/sシーケンシャルライト30MB/s

この書き方だといかにも書き込みだけ制御しているような書き方。どうなんだろう。でも制御しているなら20MB/sの速さじゃないとおかしくないか、と思ったわけです。さらに調べていると同じ製品を売っているWestern Digitalの公式スペックシートにたどり着きました。これが一番正しそうです。以下のように書いていました。

シーケンシャル書き込み / 読み取り 最大 50/80 MB/ 秒

Western Digital公式スペックシートより

すごく調べれば調べるほど色々な値が書いているのでどれが正しいかわからなくなってくるのですが、これはpdf化されたドキュメント内で書いてあったのでこれが一番正しいと考えられます。

あと調べていて気付いたことですすが、最初の読み書き20MB/sの間違いはおそらくですが、一つ昔の型番のSDSDQAF2-008G-IとSDSDQAF2-016G-Iのことについてだと思われます。あとこれは公称値でTBWが公表されていたそうですが、このSDSDQAF2-Iシリーズで連続書き込み192TBです。このシリーズは64GBが最大容量のもでるなので、おそらく期待できる耐久性としては16GBモデルで連続書き込み48TB、8GBモデルで連続書き込み24TBであると考察されます。そのため耐久性が同等であればこの今回レビューするモデルも同じぐらいの連続書き込みが期待できると考えられます。

さて速度とかの話はこれぐらいにしてなぜこのような高耐久性が実現できるかですが、それはこのカードがMLC NANDを採用しているからですね。MLC NANDというのはmicroSDのデータを保存しているチップのことなのですが、普通のmicroSDカードはTLCやQLC NANDと呼ばれるものが使われていて、MLC NANDよりも耐久性が低いと言われています。実際私は普通のmicroSDカードを使って結局使いすぎで5枚も壊してしまったわけです。このMLC NANDというそもそものとして高耐久なものを採用することで高い耐久性を実現しています。欠点はTLCやQLCと呼ばれるものより高価であるということですね。昨今128GBのmicroSDカードが1500円ぐらいで買えたりするわけですが、32GBのMLCモデルのものだと同じIndustrialシリーズで1700円ほどします。ではあとは使っていったレビューを行います。

耐久性について

耐久性は極めて良好です。なんせ名前の通り産業用をうたっているだけあって、信頼性も抜群だと思います。今まで他のmicroSD何枚も壊してしまったので型番とか詳しく書きませんが、ごくごく普通のmicroSDカードで私の環境で使うと3か月ほどで壊れるものがほとんどでした。どんな環境かというとRaspberry Piを録画サーバとして使っていました。すごくログとかを書き込むので最終的にmicroSDカードが冗長巡回(CRC)エラーが出るようにまでなっていました。

なんとこのmicroSDカードを使い始めて2年ほどですが、今のところ壊れていません。NAS用と録画サーバ用など数種類のサーバに使用していますがどれも壊れていませんし、不調はありません。ただこればっかりは壊れるときは壊れるでしょうし、使い方で全然変わってくるので一概にどうとはいえませんが、私が複数の環境で、今まで数々のmicroSDカードを壊し続けてきたその環境で1枚も壊れず2年使えているのは素晴らしいことです。

あくまで私の場合はこうだったというだけではありますが、自信を思ってRaspberry Piなどの過酷な使用用途の場合はおすすめできます。実は仕様のところに書いてないのですが、適応温度もかなり高めに設定されていてドライブレコーダなど高温になる環境でも安心して使えるため、そのような使い方でもおすすめです。Raspberry Piって結構使えば発熱するのでこの適応温度が高いのも耐久性や安全面から見ても非常に良い点です。

ベンチマークと考察

今回は8GBをベンチマークに使いました。結果は以下のようになりました。またカードリーダはUSB3.0対応のmicroSD/SDカードリーダのBSCR27U3を使いました。なので速度的にボトルネックは基本的にはありえません。加えて、測定に使ったPCもRyzen 9 3900X + X570 taichiの最新世代のものなのでPCにもボトルネックはないと考えて大丈夫です。

SanDisk Industrial 8GB SDSDQAF3-008G-I のベンチマーク

正直ベンチマークを取っている自分が「あれ?」っとなってしまったのですが、どっちも公称値からそこそこ外れています。正しくは普通のmicroSDでは公称値を超えないのが一般的で、書き込み速度はコントローラで制限しているのであれば公称値を超えないはず、逆に大きく下回ることはそうそうないはずと考えました。しかし結果の通り読み取り速度は17MB/sほど公称値より大きく、書き込みは20MB/sほど遅いという色々ちぐはぐな結果になっています。結果的に一番近いのは某通販サイトNに書いてあった読み/書き,80/30(MB/s)が一番近い結果に。実測だったとかあるんでしょうかね…。まあ今回がWestern Digitalの公式資料をベースに考えると、読み込みは早くても損はないけど書き込みは早いと制御が効いていない、データの信頼性が損なわれるとかそんな理由で公称値を公表しているのでしょうか。よくわからないですね。ほかの同シリーズの製品は我が家ではバックアップなり、実際に使っているとかで他の個体でテストができないのですが、ある個体ではこのような数値になったという事実は変わりません。個体差はありえるのですべてでこうなるとは言い切れませんが、速度的には全然問題はないので安心できます。さらに耐久性は上述のように非常に素晴らしいものなので非常によいmicroSDカードだと言えます。

それにしてもこのmicroSDカードはすごくランダムアクセスが早いです。普通は2とか3MB/sぐらいのもざらなので、普通のmicroSDとしても読み込み用途なら極めて優秀なmicroSDと言えるでしょう。別側面からみても優秀とは、値段と容量が許せばこれ以外ないんじゃないというぐらいRapberry Piに向いています。

まとめ

速度、耐久性、耐熱性含め全ての項目で非常に優秀だと結論付ける。Raspberry Piに限らず絶えずデータを読み書きするドライブレコーダやOSの書き込みに使うような場合は特にイチオシの製品であり、高耐久なmicroSDカードを探しているなら、性能、耐久性が非常に優れているこのSanDisk Industrial を間違いなく一番におすすめします。私はこの産業用microSDカードにそれぐらい信頼をおいているし、今後Raspberry Piを使ってみようとか新しいのをもう一台という方はmicroSDとしてこれを選んでおけば間違いないです。

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