KZ AZ09を分解してみた話

実は3年ほど前にKZ AZ09というKZのイヤホンをBluetoothイヤホンかするモジュールを購入しました。そして使い続けていると、ケースに入れても充電されていないことがたまにありました。最初は充電端子部分の接触不良を疑ってその部分を綺麗にして問題なく充電されていたのですが、端子を綺麗にしても全く充電できなくなりました。端子が汚れていたのではなく故障の前兆だったようです。

接触の悪いと思い込んでいた汚い端子

愛着がありなおかつ貧乏性の私はなんとかして直せないかと考えました。KZは中華イヤホンメーカーの中でも名の通ったメジャーなメーカーなので、誰かが分解修理くらいしているだろうと思ったのですが、調べてもAZ09に関する分解レポートは見つかりませんでした。一応似たような別機種のAZ09 Proに関してはYoutubeに動画があったため、それをある程度参考に分解のとっかかりを作りました。しかし、この動画は一番最最初の分解する方法が乗っておらず、さも簡単に分解できますみたいな感じで謎だったので、その点も踏まえて分解を進めていこうと思います。

念のため書いておきますが、分解を行うことで保証や修理が受付できなくなる可能性があります。また、リチウムイオン電池を内蔵した製品のため扱いを誤ると発火の恐れがありますので、この記事に書いてることは参考程度に、全て自己責任で作業を行っていただくようにお願いいたします。

それでは早速作業に取り掛かりましょう。分解のために必要なものは以下のものになっています。

  • カッター
  • (配線や部品を変更する場合)はんだごて

これだけで基本的に分解可能です。カッターはできる限り刃が細いほうが隙間に入りやすく分解が可能です。道具を用意したら分解に取り掛かっていきます。

まず初めにどこを分解するかのイメージを付けるために、分解した後の写真を示します。勢いあまってリチウムイオン電池に傷をつけないための安全上の配慮的な意味もあります。

分解後の写真

このように本体の真ん中が開くような形になっており、本体中央部にはリチウムイオン電池が格納されており大部分を占領しています。

これを見てすぐに分解すると壊す可能性があるので慌てず最後まで読んでから分解するのをお勧めします。人柱的な意味もあったとはいえ、実際に私は壊しました。なので、少なくともこの記事を読んだ人が壊すリスクを少しでも減らせたらなと思っています。

この状態にもっていくまでにどこを壊してしまったのかというと、はめ込んである棒があるのですが、それを折ってしまいました。具体的には以下の写真です。

嵌め合わせ部分

この充電端子の近くにこのように穴があり、そこに刺すような構造になっています。これはどちらかというと、位置合わせの部品という感じのようできつい嵌め込みではないです。

折れてしまった部分

垂直にカバーを上に持ち上げて外すのではなく、斜めに外してしまったために部品を折ってしまいました。また、もう一か所折れてしまっている部品があり、それがこちら。

折れてしまった部品その2

テストに使った配線が映り込んでいますが、こちらは関係ありません。この二つある飛び出ている部分の片方が折れて外れてしまっています。これは、バッテリーの位置決めをするための部品のようですが、こちらも折れた理由は斜めにカバーを外してしまったからです。

私が壊したのはこれらの部分となっていますが、基本的には斜めにカバーを外したことが原因で、垂直に外せば破損させることはなかったはずです。なぜその外し方をしたのかといえば構造がわかっていなかったというのが一番の原因なのでこの部分を次は説明します。

別角度からの写真

四隅に引っ掛ける部分があり、この部分にはめ込まれています。この引っ掛けを外していく感じにはなるのですが、押し込んで外すような感じではないので、隙間から細いものを入れてこじっていくような感じで外します。このとき、どこか一部分だけを大きく開けると部品が折れます。均等に開けていきます。

実際に開ける際は、以下のように横からカッターの刃を差し込みました。良い開け方をご存じの方がいれば教えてください。

カッターの刃を滑り込ませます。

この状態から刃を回してこじるようにして開けました。

ということで、こういった注意を払ったうえで初めていい感じに分解できます。次はバッテリーを見てみます。

バッテリーには401020Pの表記

バッテリーには401020Pの表記があります。また、3.7Vの表記もあります。なので、バッテリーが死んでいる際はこいつを交換します。私の場合はバッテリーが死んでいる可能性が高かったのですが、配線と安全的な観点から交換をしませんでした。交換する方はショートには気を付けてください。

配線周り

これがバッテリー回りの配線なのですが、テスト用のパターンも近くにあり、なおかつイヤホン側への配線も近く、手持ちの工具ではリスク承知でもやりたくないと考えたので直さなかったという感じです。ご丁寧にシルクでプラスマイナスの表記あるので、作業時に間違えるリスクが減らせる点は安心でしょうか。お次は端子のほうを眺めてみます。

充電端子

充電端子部分は汗などでか青色の錆のようなものが浮いていましたが、内部の部品が長いため、基板側への影響があるような状態ではありませんでした。しかし、特にゴムシールがされているわけでもないなので、過度に水分にさらすとここから浸水する可能性がありそうです。

基盤を持ち上げて裏側から見てみます。

基板裏側

搭載されているMCUはREALTEK製のRTL8753BFRでした。その左横には小さな丸い穴が開いたものがマイク、オレンジのカプトンのようなものがついているのがスイッチですね。ちなみに、基板表面にはシルクがありここにもMCUの表記がありました。

シルクにもRTL8753

完全に余談ですが、このシルクには製造年月日のようなものがありますが、私が購入したのは2021年8月ぐらいなのでおおよそ正しそうな気がします。

ここからさらに分解をしようと思うと、イヤホン線を外さないとだめなのと、ここからは完全に破壊しないと分解できない構造になっていました。

棒状の部品が刺さっていた部分を破壊する必要

個の根本の部分が樹脂で固められているので、配線と基板の接続部分が外れいるのは、はんだをし直せば修理可能ですが、配線を変えるのは困難な構造でした。

というわけで、分解をするのみで結局修理しなかったのですが、分解レポ自体も一定数の需要があることは知っているので情報共有ついでに記事にしました。

最後にまとめると、

  • カバーを外すのはカッター一本で可能。
    • 壊さないように要注意
  • バッテリーは401020Pの3.7V
  • 配線を修理する場合は配線が多い場所なので要注意
  • イヤホンの配線をつなぎなおすだけ可能
    • 配線そのものを変更するのは困難

こんな感じでした。人柱になって調べた感じですが、故障する原因の大半はやはりバッテリー回りが怪しそうな感じがしました。一方で構造はシンプル故比較的修理のしやすい構造だったと思います。もしこの記事を見て実際に分解してみようとなった際は、リチウムイオン電池が搭載された製品なので、安全には十分気を付けて作業してください。

以上です、お読みいただきありがとうございました。

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カテゴリー: 雑記

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