FUJI FETHER(フェザー)のインナーブレーキケーブルについて。本来は専用品が必要という話

私は普段自分の日記帳みたいに扱っている感じサイトなので、基本的に自分に関係がある話題しか取り上げないのですが、今回は全く自分に関係のない話です。

業務中に普段は扱わない自転車で困ったことがあったので、特定車種の情報共有という形で残しておきます。調べてもあまりぱっとした情報がなかったので、対処法や本来こうすべき方法を残しておきます。

今回の特定車種というのが、FUJIのFEATHER(フェザー)という自転車のブレーキケーブルについてです。

一応お断りしておくと、私は自転車屋に勤めている身ではありますが、この情報については責任を一切負いません。ここは個人ブログですので、自転車屋さんのサイトではありません。あくまで趣味的な扱いの上での自転車の話になりますので、基本的には自己責任でお願いいたします。

さて、本題に入りましょう。

簡単に言えば、FUJIのFEATHERの修理であるお客様がご来店されて、ブレーキシューが削れていたのとケーブルがさびていたので、何の躊躇もなくシューとワイヤーを交換しましょうとなりました。

そして実際に修理をするときにブレーキインナーで困ったことがあり、その結果と対処法というのが今回話になります。

初めに、FUJIのFEATHERという自転車なのですが、これがなぜ特殊であるかという話をすると、この自転車のブレーキレバーはエントリーグレードのロードバイクなどに用いられる補助ブレーキ(と同じ形)を普通のブレーキレバーとして使っています。使っているブレーキ本体はキャリパーブレーキです。

この補助ブレーキの仕組みを言葉で解説すると、ブレーキアウターの間に補助レバーを入れる想定になるため、ブレーキレバーの端(FETHERの場合はタイコが当たる位置)がブレーキアウターに合った形状になっているのです。

Y'sロードのサイト様より引用

画像はY'sロード様より引用しましたが、形的にはこんな感じにタイコが入っています。

さて、ブレーキ自体はキャリパーなのでロード用のブレーキインナーで交換しようとなるわけですが、ここで問題が発生します。

ロード用のタイコでは形が合わずきれいに収まってくれません。そして、面で接していないため微妙にカチャカチャしてしまいます。他所ではロード用のワイヤーを使う場合もあるそうですが、徐々にタイコがブレーキレバーを削って痛めそうですし、見た目も悪いですしいいことは無さそうに感じます。できればピッタリサイズがいいな…

なんだこれということで、外した古いワイヤーを見てみると、ワイヤーのタイコの形がシフトワイヤーの形状と酷似しているではありませんか。試しにシフトワイヤーをブレーキにはめてみるときれいに収まります。これはシフトワイヤーを使えば…なんて思ったわけですが、太さが違うので安全性から見てもそうもいきません

上がブレーキワイヤー、下がシフトワイヤー

どうもFUJIのFETEHRにはタイコはシフトワイヤーの形状で、ワイヤー部分は各ブレーキインナーと同じ太さという専用の特殊なワイヤーを使用しているようです。代理店のアキボウによると、交換には専用品を使ってくださいとのこと。普段扱わない自転車なので知りませんでした。そんな専用ワイヤーはお店にはありません。

なので、最終的にお客様用のは別に取り寄せることにしたのですが、その結論に至るまで既存品で代用できないのかを試行錯誤しました。

といわけでブレーキワイヤーのタイコの形をまず比較してみます。

上からMTB,ロード,シフトワイヤー

一番したのシフトワイヤーの形状が本来の一番の形状に近いです。それに近い方の形というと、やはりロード用のブレーキインナーですね。MTBは円柱状の形状のため全く形が違います。

ロード用のタイコ拡大図

このロード用のタイコを使えるように加工することを考えます。

初めに、逆側(キノコ型の傘の方)からブレーキレバーに入るかを確認します。すると、無加工でロード用のタイコの上側の部分が入ることが判明します。

逆に本来の形でワイヤーを通すとブレーキレバーからタイコが顔を出してしまいます。ということは引っかかっているのはキノコ型の細い部分ということになります。

というわけで、この部分を削ってみたところ、綺麗に収まり使用することができました。

ただ気になったのはやはりタイコの部分を削るというのは望ましいとは言えませんし強度的に気になったので削っても本当に問題なさそうなのか(はっきりと問題ないとはわからない)を確認してみました。

まず一番アウトなのが、ワイヤーの部分が、キノコ型の傘の部分まで入っていないというケースの場合は、細い部分を削ってしまうと明らかに強度不足になってしまうのは想像に難くありません。

なので、実際に1本を犠牲にしてタイコを解体してみたところ、今回使ってワイヤーはキノコ型の傘の部分の最後までワイヤーが入っていることがわかりました。問題なく使えそうですね。

後で聞いた話ですが、別の自転車屋仲間に聞いてみたところ、同じように削って対処するけど、問題が起きたことは無いよというお話を伺いました。なので、実際、強度的にも問題ないのでしょう(代理店的にはやってほしくない行為でしょうが)。

なので、どうしても個人でワイヤーの入手が困難という方や、そんなの気にしない、とりあえず納期と安さ重視というのであればこの方法で対処することが可能です。

フェザー乗りの方には常識なのかもしれませんが、私が普段扱わない自転車なのもあって知らなかったので、同じような状況の誰かの参考になれば幸いです。

一応最後にも書いておきますが、やはりタイコを削るのは強度を下げているということですから、現実的に問題は起きなくても、精神衛生上良くはないと思います。なので冒頭に書いたように同じ方法をされる際は自己責任でお願いします。

以上です。お読みいただきありがとうございました。

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カテゴリー: 自転車

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