はじめてのロングライド!若者で初心者だった私が気を付けた点と反省点、そして大切だと思ったこと

皆さんは初めてのロングライドってどんな思い出があるでしょうか。もしかしたら、この記事を読んでいただいている方はこれから初めて挑戦するという方もいるかもしれません。

この記事は、まだロングライドに挑戦したことがない人、挑戦したけどしんどくて諦めてしまったという人に見ていただきたいです。私は今こそ600kmぐらい一般の方から見れば途方もない距離を走ったりしますが、そんな私でも初心者の時期があって、たくさん走ることで経験を積んで今の私があるわけです。なのでその考え方や経験を知ってもらうことで多くの方がロングライドを楽しめるようになると思っています。以下ではその経験や向き合い方、考え方を紹介していきます。

最初にどんなレベルの人が書いているのかを簡単にまとめると以下のようになっています。

  • 中学時代は陸上競技(短距離、投擲)をやっていた
  • 高校時代は帰宅部
  • 自転車自体は中学時代から好きだったが、ロングライドなど本格的に乗りだ出したのは、高校の終わりから
  • ロングライドをはじめてから4年程度。
  • 現在はブルべというロングライドイベントに出場しており40時間以内で600kmを走破。
  • ロングライドに定価8万ぐらいの廉価ロードバイクを使用。Clarisのため2x8変速しかありません。

初めてのロングライドとの向き合い方:大切だと思ったこと

ここに書いている話は今の私の考え方でありモットーです。私が実際に初めて走ったときに意識したことは別の項に書きますが、実際にロングライドした後だとこうだったなっていうのがあるので、今の私が正しいと思ったことをこの項に書きます。今回は自力で走れることを目標としたいので原則断りがなければ、一人で走っていることを想定していると思ってください。

私はよくサークルの後輩からロングライドのコツとかないんですか?とかって聞かれます。なぜ実際に走らず質問をするのだろうと考えると、おそらく恐怖と時間がそういう質問をさせているのだと考えています。ロングライドは時間もかかるし、初めての挑戦には勇気がいります。経験者の話を聞いたりすることで少しでも備えようという方が多いのだと思っています。後輩にされた質問に返事をすると、「インターネットでこんなこと書いてありましたけど本当ですか?」みたいなこと言われることもあります。

しかし、ここで思うのですが、そのインターネットで得られた知識は本当に正しいのか。はたまた私が間違っているのか

ある意味ではその知識は正しくて、私が間違っているともいえると思います。なぜかというと、自転車の乗り方や乗り手の運動能力、さらには修理などの技術面、加えて精神面などロングライドには様々な要素が関係してくるからです

実際よく聞かれる質問を列挙してみます。この質問からロングライドにどのように、どの要素が関係してくるのかと対策を紹介してみます。

  • 途中でパンクとかメカトラブルがあったら…
  • 疲れすぎで動けなくなったりしたら…
  • 自分の走力だと1日で走れる距離かわからない…
  • 本当に100kmなんて走り切れるの…
  • 体力ないのだけど…

各項目をそれぞれ説明しますが、長くなります。私の経験を交えつつ書いているので仕方ない部分も多いのでご了承ください。

途中でパンクしたりメカトラブルがあったらというのが、修理などの技術面で心配しているというところですね。加えて言うのであれば、精神面でも不安が残っているともいえると思います。なぜなら、普段乗っている距離を照らし合わせて考えてみます。普段乗っているのであれば通算で100kmぐらいは乗っていると思います。では、その100kmの中で何かトラブルがあったのかというと、ないと答える方が多いと思います。私もここ1000km以上はトラブルとかないですね。いままで100km乗ってトラブルがなかったのに、次の100kmでトラブルがないとは言い切れないというところですね。ここを心配している心配性な一面が強く出ている方なのだと思います。だからこそ技術面の心配の裏には精神面の不安もあると言えるわけです。
パンクなどのオーソドックスなトラブルには対応できるようになっておくのが一番不安を解消するうえで有効だと思います。勉強して練習してパンク対応などをできるようになれば安心できると思います。ワイヤー切れたらどうしようなどと思うのであれは、ロングライドに行く前日などに自転車屋に行って点検を受けておけば珍しいトラブルは大体防げます。こういう事前にできる行動でこの手の不安は大きく軽減できるので、しっかり事前に対策をしましょう。

次の疲れすぎて動けなくなったらどうしようというのは、ご自身の体力に自信のない方が多いのかなといったところですね。これは体力や走力が関係するので一概にどうとは言えないのですが、私の考え方はロングライドは楽しく走り切るものだと思っています。レースのためのトレーニングとかでなければ自分を追い込む必要はありませんし、ほとんどの方はレースに出たりしないでしょうからこういった話に無縁だと思います。
なのに「プロや実業団の方がこうしているから」といって無理な走り方や装備で走る方やそうしようという方が多い気がします。自分の身の丈にあった楽しみ方をするべきなのだと私は思っています。結局、自分の体力に不安があるなら、自分の体力に見合った走り方や距離にすればいいのです。ほかの人なんか気にしてはいけません。ほかの人と一緒に走るなら恥ずかしがらず合わせてもらうべきです。無理させるような人と走ってもいいことはないですし、経験上トラブルの温床になったりするので一緒に走らないほうがいいと思います。初めてのロングライドは「自分に合った自分だけのペースで確実に」が鉄則だと思っています。
私は今でもロングライドは「自分のペースで確実に、安全に」というのをこころがけていますし、これで困ったことは一度もありません。むしろ得をしたことばかりで、経験で言うとロングライドのイベントで最初に早い集団についていった人を気づいたら後の方で追いついて抜いていったことが一番わかりやすいでしょうか。すごく途中で追い抜いた人がしんどそうだったのを覚えていますが、自分のペースで走ることは結果的に早く走れることも多くいいことづくめです。後はついていくために山道の下りで速度を出しすぎで落車したりとかもありますね。
本当に自分のペース以外で走ることにいいことはないっていうのが走れば走るほどわかってきます。

本当に1日でその距離を走り切れるのかがわからないというのは、おそらく「自分について自分がわかっていないとき」に出てきやすいです。私自身がかつてこの問題を一番気にしていました。というのも、自分の走力や体力がわかっていないんです。例えば自分が無理のないペースで時速何キロで走れるかを知っていれば何時間でどれだけの距離が走れるというのがわかります。これを知らない限りはどれだけ走り切れるかは予定を立てたりもしにくいので知らないといけません。なので事前に3時間ぐらい疲れないように走ってみて、その平均時速を計測してみましょう。それぐらいがあなたの無理なく走れるスピードなので、まずはそのスピードから走れる距離を考えましょう。休憩は1時間に10分程度とるように時間を考えてみるといいと思います。お昼ご飯などを食べるならその時間も別途計算に入れましょう。ちなみに計測はスマホアプリなんかでもできるみたいなので、このページでは扱わないので別途調べてみてください。
その計算した時間と距離なら無理なく走り切れると思うので初めてのロングライドの感覚をつかむといいと思います。「もうちょっと早く走れたかも」とか「もうちょっと休憩時間入れたらよかった」とかの自分の経験でしか得られない「自分だけのペース」が見つかります。この「自分だけのペース」を磨いていくことで自分の走力にあった走り方、休憩の取り方といった様々なことがわかってきます。私も実際にそうでした。実際に走ってみないとわからなかったこと、経験しないとわからないことがあるということを知って、自分に合ったペースや自転車の乗り方を知ってロングライドができるようになりました。

次は100kmなんて本当に走り切れるか不安ということですが、これも自分の走力を詳しくわかっていないと出てくる不安です。インターネット上では平均時速20kmで考えるといいって書いているところも多いかと思いますが、上記の平均時速を計測して走りきれるか計算してみましょう。例えば平均時速15kmだったなら、7時間ぐらいで走り切れるぐらいなので、休憩を考えると朝8時に家を出たら夕方6時ぐらいには帰ってこれそうみたいな計画が立てられるわけです。この例でもそうですが、100kmであれば多くの場合は日中に走り切れるので自分のペースを知って時間をあらかじめ計算したうえで見通しを立ててから出発時間を決めるとうまく走り切れると思います。1回走ってしまえば、その経験の中で見えてくるものがあるでしょうから、その改善点などをもとに次はさらに工夫して計画を立てれば自然と乗れるようになれますよ
私もそうでしたが、1回目が一番緊張しますし不安です。確かに平均時速測ってみて計算もしたけど、それでもやっぱり不安。でもしっかり数字で計算してやったのだからそれ以上はありません。あとは実際に走るしかありません。あとはその一歩を踏み出せるかどうかは本当にあなた次第です。

実は心が折れてしまったとかどうしようもないメカトラブルがあったときに全てが何とかなる方法があるのですが、状況にもよりますので、後述の私の初めてのロングライドの際に紹介させてもらいます。この何とかできる方法を知っておくことでさらなるリスクの低減を図れるのでこれも必ず知って、できるようになってもらいたいです。

さて長かったですが、ロングライドには自転車の乗り方や乗り手の運動能力、さらには修理などの技術面、加えて精神面などロングライドには様々な要素が関係してくるというのがよくわかっていただけたのではないでしょうか。

今私が上記のような考え方を持っているのは色々な経験をしてきたからにほかなりません。私が初めてのロングライドをしようと思ったきっかけ、私が心がけていたことと対策を紹介します。

私の初めての一人でのロングライド:対策と心構え

当時の私は、この記事を読んでいるあなたと同じようにたくさん調べて対策を練っていました。ちなみに私が走ろうと計画した道は国道2号を走って、広島から大阪までを走る270kmほどを1日で走るコースです。しかも一人で。ちなみに理由は大学生らしいもので、移動代がもったいないからというだけでした。

この記事で紹介した数字とはかけ離れていてびっくりかもしれませんが、私も若いからと無茶していたなと今は思います。その前に走ったことがある最長距離は1回きりの100kmほどです。しかもサークルの先輩に引いてもらっての100kmほどなので一人で走るよりもずっと楽です。さらに知識のある先輩方ですから、メカトラブルがあっても大丈夫だと安心しきっていました。その100kmから比べれば、数字の大小以上に不安でした。距離は2.7倍、さらにメカトラブルがあったら…なんて思っていました。

さてここで抱えていた不安を書いておくと、こんな感じです。

  • 270kmも走れるのか(体力的に、時間的に)
  • ルートそもそも大丈夫なのか
  • 県を3つまたぐ、つまり山も3つ、上りがきついのでは
  • どうしようもないメカトラブルがあったらどうしよう
  • ハンガーノックしたらどうしよう

まず270km走れるのかを考えました。私がロングライドをした100kmのときなんて先輩と一緒に走ったものなので私一人で走ったときの平均時速のデータはありません。当時の私は非常にうぬぼれていたというか、甘かったといいますか、インターネットを鵜呑みにして「まあ時速20kmぐらいで走れるでしょ」って高を括っていました。なので、当初の計算だと倉敷の観光に一時間半使うとして考えて、休憩も含めて16時間程度かなと思っていました。まあこれなら朝6時に出て「日付変わるぐらいに大阪に着いたらいいかな」そんな風に思っていました。私は計画段階でこの数値や計画に疑問を持たなかったのでさらっと流していました。時間は大体こんなものだろうというのが知れただけで満足でした。後述しますが、割と反省点は多かったです。

ルートは地図を覚えるのは難しい、ナビに頼ろうということになりました。私はこの日のためにGPSでルート案内機能の付いたサイクルコンピュータを買い、そのナビの指示通りいくことにしました。270kmものルートをいちいち確認するのもしんどかったので、ナビに丸投げして、しんどそうな山だけ別途調べるということにしました。

山が多いかもというのは事前に地図アプリなどを見て調査することにしました。まずぱっと見は山らしきものを3つほど超えないといけなそうでしたが、よく調べると大阪兵庫間は海沿いを行けばほとんど登らないで行けるとか、国道は比較的通りやすいところにあることが多いというのもあって、山らしい山は兵庫と岡山県の県境の備前らへんに小さな山があるくらいです。近所の山が標高300mぐらいでまあ登れるぐらいの感覚だったのですが、この山は高くても200mぐらい。簡単に登れるはず!と安心することができ、山への不安もある程度解消されました。

どうしようもないメカトラブルですが、ワイヤーまわりや、変速機まわりの故障とかです。しかし、私は事前に調べ素晴らしい対策を発見しました。それが輪行です。上述の、全てが何とかなる方法というのはこれで、自転車を分解して袋に詰めることで交通機関を利用できるようにするという作業を輪行と呼んでいます。この輪行を行うことで何かあっても最悪でも電車を使って大阪まで行けるようになります。これは電車やバスが近くに通っていないといけないのですが、国道2号沿いなら電車が走っています。これならどんなトラブルがあっても大阪に行くことはできるということで、これが一番初めてのロングライドを後押ししてくれた理由になっています。この方法の欠点は近くにバスか電車がないといけないわけですが、条件さえ満たせば一番安心できる方法なので初めてのロングライドはこの輪行ができるような道を選ぶことで安心して走ることができます。なお、輪行は自転車を分解するので、事前に練習が必要です。
ちなみに私の場合はパンク修理などの簡単な修理には自信があったので、大きなトラブルだけが懸念事項で特に練習とかはしませんでした。

ハンガーノックしたらどうしようということなのですが、最初にハンガーノックという聞きなれない言葉が出てきたと思います。これは体のエネルギー切れで、自転車ではよくある症状です。あまり自転車は体を使っている自覚がないのでエネルギーが足りなくなって気分が悪くなって体に力が入らなくなります。これを防ぐためには、おなかが減っていなくても定期的に栄養補給をしないといけません。おなかが減ったと感じたらもう遅いとのことなので、減る前に食べようと心に決めたのですが、あやふやだと忘れそうなので最低でも3時間に1回とルールを決めて臨むことにしました。

あとは心構えなのですが、無理はしないで走ろうということだけ気を付けて走ることにしました。

私の心構えや準備はこれぐらいでした。あとは実際に走った反省ですね。ちなみに270km完走できました。これが次回以降のロングライドに活かされていきます。この反省を繰り返してロングライドに慣れていくのが一番ですよ。

反省点と感想

私の反省点は以下のようになりました。

  • 時間にはもっと余裕を
  • 速度も実測で知っておくべきだった
  • コースの長さ
  • ルートを一度は要確認

この4つでした。

時間には余裕をというのは、倉敷の観光に1時間半としていたのですが、実際のところ2時間半かかりました。その理由が残念過ぎるのですが、途中で自転車の鍵をなくして探し回って見つけたのですがそれに非常に時間を取られたためにこうなってしまいました。こういうコース設定によっては不慮の事態も考えてもっと時間をとるべきでした。16時間で遅くてもゴールできると思っていたのですが、結果的に18時間もかかってしまい、遅く見積もっていたよりも2時間も遅くなってしまいました。もっと今後は余裕をもって設定しようと思いました。この経験からもわかるように時間には余裕をもって設定するべきなのですが、この余裕に関してはやはり一概にどれくらいといえるものでもないので、これこそ何度もロングライドをしてわかってくる感覚のものですね。なので、この反省点は次に生かしましょう。こんな反省をしても決して恥ずかしいことではありませんし、むしろ経験値を得られたとポジティブに行くと今後の予定も立てやすいと思いますよ。

速度は実測でというものなのですが、これは私の設定した距離を考えると事前に100kmでも150kmでも走ってどれくらいで無理なく走れるのかを測っておくべきでした。この速度感のずれが先ほどの設定した時間にも大きく影響を与えてしまった部分も大きいので、この点は要反省でした。この記事を読んでいる皆様は事前に速度を測ってから計画を立てないと、私みたいな思いをしてしまいますよ。

コースの長さはそもそも100kmが最長距離だったのだから、270kmという距離はもっと短くするべきだったと思いました。未知すぎる距離であったために時間を見誤ったところもあったでしょうし、無理をする可能性もありました。あとは眠さなどで無謀な運転になってしまう可能性だって考えるべきでした。結果として無事故で、完走でしたが一歩間違えれば違う結果だったかもしれません。ほぼ寝る時間を除いて1日走っているようなものでしたし、明りのない真っ暗な場所で高さ15cmぐらいの縁石にぶつかりかけるといったヒヤッとした経験もありました。なので、ロングライドに挑戦するとき、また距離をさらに長くするときは自分の今までの走った距離から無茶のない距離のコースを選択するのが一番重要だと感じました。

長いからとルートの確認をほとんどせずコンピュータに丸投げした結果迷い、時間を取られて体力も奪われたのでやはりルートの確認は必要だと痛感しました。実は国道2号は旧国道2号という場所もあって2号線が分岐していて、片方が自動車専用路で走れない道も案内されたりしました。案内標識も見ていたのですが、表記が修正されていないところや、工事で通れないところなどがあり、色々なところで迷ってしまいました。これを事前にルート確認していれば多少は迷う場所を減らせたと思います。なので、ロングライドの際のルートは必ず確認したほうがいいというのが私の経験からのアドバイスでもあり、今回の反省点です。

それ以外はとくに反省点もなかった、つまり上述の項でしていた対策は効果を発揮していました

山に関しては本当に低いもの一つしかありませんでしたし、輪行の準備をしていったからこそ、安心して走り続けることができました。栄養もおなかが減る前に補給していたのでハンガーノックになることもありませんでした。

私が反省していたりやっておいてよかったと思っていることはこれぐらいなのですが、予想外のことがありました。

思った以上にお金がかかったんです。というのも3時間に1回ぐらい補給(パンやおにぎりを食べ、飲み物を飲む)ということをしていたため食費だけでも5000円近くかかりました。これぐらいかけるなら電車でもあんまり変わらなかったんじゃないかって思ったりもしました。なんせ動機が移動費を削りたかったからなわけで。でも楽しかったので特に気にはしていないのですが、予想外ではありました。ロングライドってお金かかるなって思いました。多くの方がこの点には触れていないのですが、この記事を読んでいただいた方は覚えておくのがおすすめです。

初めて一人でロングライドを走った感想はとても楽しかったです。初めて見る風景、初めて走る場所、小さな町のご飯屋さん、今でも忘れず全てがいい思い出になっています。この経験でとりあえずこの距離は走れるという自信をつけることができました。

この後私はこの経験を活かしてロングライドは上達していったなって気がしますし、やはり1回目のロングライドは色々なきっかけをくれます。皆さんもしっかり対策をたてて、初めてのロングライドに挑戦することで、たくさんいい思い出や挑戦ができるようになりましょう。機材もそんなに世間一般のロングライドをする人々に比べればいいものではなかったのですが、それでも楽しく走り切れましたし、ロードバイクをお持ちならぜひ挑戦してみてほしいです。

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