最近PCゲームをしていて、モニターがPCに対して貧弱なことに気がつきました。現在の私のモニターがFullHD/75Hzという一昔前のモニターのくせして、PCがRyzen9 3900XにRadeon RX6800XTという1世代前のハイエンド構成という見合わない状態になっていました。
そこで、4Kモニターを買おうとなったわけですが、モニターを手放すのは思いのほか面倒なことだと気付いたので、いっそのこといいやつを買ってしまおうということで購入したのが今回レビューするPHILIPSの279M1RV/11です。
目立つ特徴としてはこんな感じです。
- 4K/144Hz対応
- DisplayHDR 600に対応
- KVM機能に対応
- HDMポートが多め(3つ)
- 値段が安価
特に赤字で書いているところが同価格帯と比較してすぐれているところです。この価格帯HDR600に対応しているのは現状(2023/03/09)はこの製品ぐらいしかありません。それだけでも十分すごいですが、それに加えてKVM機能までついています。それでいて有名メーカーのPHILIPS製なのですから、大したものです。
特徴から見ればすごくお買い得に見えますが、定価ベースでみると10万円オーバーの商品です。なぜこんなことになっているのかと思えばおそらく、あまり数が出ていないのと、不具合があるというようなレビューが目立つためだと思います。Amazonのレビューでもいくつか投稿されていますね。
私は専用の測定器具を持っているわけではいですし、普段買うような製品ではないので、カラーバランスのような詳細なレビューについては他のサイト様に任せまして、外観や主観を交えたレビューと、不具合の調査を軸にレビューをしていこうと思います。
それでは始めていきます。
目次
279M1RV/11のスペック
簡単な特徴については紹介しましたが、ここできっちりとスペックを紹介しておきます。
項目 | |
パネルの種類 | Nano IPS |
モニターサイズ | 27インチ(68.5cm) |
解像度 | 3840 x 2160 |
ピクセル密度 | 163ppi |
応答時間 | 1ms(GTG:OD時) |
コントラスト比 | 1000:1 |
フリッカーフリー | 〇 |
色域(最小) | DCI-P3 98% |
色域(標準値) | NTSC:112% sRGB:133% Adobe RGB:110.1% |
G-SYNC | 60~144Hz |
Adaptive sync | 〇 |
HDMI | HDMI 2.1 x 3(VRR,FRL対応)4K@144Hz |
Display Port | DP1.4 x1 4K@144Hz |
USB-C | USB-C 4K@120Hz |
USB関係 | Type-C x 1 (UP)(PD 65W対応) Type-B x 1 (UP) USB 3.2 Type-A x 4 (DOWN) (内2つはBC1.2対応) |
KVM | 〇 |
HDR | DisplayHDR 600認証 |
スピーカー | 5W x 2(DTS Sound) |
スペック表では色域なども優秀な製品ということですね。これが本当なのかは私の検証機材ではわかりませんが、他の方のレビューを見る限りは嘘ではないようです。
個人的に購入の決め手になったのは、PD対応とKVMがあったことです。後はこれらが揃っていて安価な価格も理由になっています。
「HDMIは多ければいいな~」とか思っていたら3つありましたし、「DisplayHDR 600と400じゃ全然違うらしいし600ならな~」なんて思っていたら全部対応していた、そんなモニターです。かゆいところに手が届いている製品ともいえるのかもしれません。
外観レビュー
簡単にですが、外観のレビューをしておきます。とりあえず外箱はこんな感じで日本語対応にする気は無さそうな感じです。
あまり高級感がある箱というわけでもありませんでした。機能さえしっかりしていればいい派なので私は梱包は気にしていません。
蓋を開けると色々入っているのですが、とりあえず発泡スチロールの中から本体等を取り出します。とりだしたら発泡スチロールで部屋が汚れました(笑)。
諸々取り出して本体とそのスタンドを確認します。
とりあえずスタンドを組み立てます。下の写真ようにとりあえずさします。
そしてそのままひっくり返してねじを回します。ねじにはつまみがついているので工具は不要です。一応コインねじと+形状にもなっているので工具でも回せる安心感があります。
後はこの足を嵌め込みます。
これで使える状態になります。全体像を見る前に端子類を確認してみます。
DP、HDMIx3、オーディオジャック、Type-C、USB3(上り用)、USB3(高速充電対応) x2、USB3 x2の構成です。黄色いポートが高速充電に対応したポートで通常のUSBと交互に配置されています。
外観は適当に写真を貼っておきます。
外観も綺麗で高さや角度を付けるなど基本的なとことは問題なくできます。
実際に使用してみる
細かい色温度の調整などはさっぱりなので、そこらへんは他のサイト様に任せてもらうとして、一番”普通の使い方”をしてみようと思います。大半の人がそんな設定を沢山触ってみる人ではないと思うので、箱から出してケーブルを繋げた状態で使ってみます。
画面を付けた最初の感想でいうと、綺麗!まぶしい!というのが素人の感想だと思います。なので、とりあえずOSDのメニューから明るさは下げました。あとAmbiglowは必要なかったので切りました。
あとはモニターあるあるのドット抜けなどを探すと1か所だけありました。
高解像度製品は仕方ないよなと自分に言い聞かせつつ右下で普段見えないところなので気にしないことにします。
それ以外に、やはり高リフレッシュレートなので滑らかですね。使ってて気分が良いです。
あと、スピーカーから音を鳴らすと、驚くほど良いわけではありませんが、思いのほか悪くない音が出ます。そもそも音質にこだわるなら外部スピーカーを使えという話ですね。なので、ついているスピーカーとしては非常にまっとうな部類なのではと思います。
KVM機能は便利ですね。DP/Type-Cとそれ以外という感じで機能しているようです。PCを2台つなげている環境なので、同じキーボードマウスが使えるのは非常に良いですね。
HDRについては初めてなのと、評価機材にを持っていないので無評価としますが、単にきれいだなぁ・・・という感想は持ちます(笑)。HDR600だとSDRと違いがわからない!にはならないので、いいもの使っているという満足感を得られますよ(笑)
不具合の調査
ざっくりレビューを見てみると、切り替えに異常に時間がかかる、ゲーム機の電源を切るとモニター本体の電源が切れるなどの症状があるようです。
私の場合は繋いでいるのが、ゲーム機はSwitch、他は自作PCとMacBookという感じで試しました。結果は、特にそういった問題は一切再現しませんでした。PS5やXboxでトラブルがあるようなので、そこらへんのデバイスを繋ぐと私のモニターでも同じ挙動をするのかもしれません。ですが、私の手持ちのデバイスでは発生しなかったので原因は謎です。
あと、Amazonのレビューに書いていますが、Type-Cの入力とDPの入力は両立しません。DP入力が有線されて、Type-Cでの入力はブラックアウトします。これは私の環境でも再現していますが、不具合というよりは製品仕様だと思われます。Type-Cの通信で画面のデータのやり取りをしているのはDPのプロトコルなので、おそらくDP入力と処理部分を一緒にしているとかでこういう挙動なのでしょう。
同時に繋げるとWIndowsPC側ではこんな感じに表示されるのですが、何かできるわけでもなくこんなエラーが出てtype-C側の画像は映らないという感じですね。
まとめ
主観評価メインの記事でした。正直一般用途で困ることは無いのではないか思うような製品です。この価格帯でメーカー製・HRD600・KVM・HDMI x3に対応しているというのは他にないと思うので個人的には非常にイチオシだと思います。
気を付けるべき点があるとすれば、DPとType-Cの入力が共存できない点です。私は併用出来たら嬉しい立場だったのですが、できないのでDPの代わりにHDMIを使っています。とはいえ、HDMI端子が3つあるので一つ使っても大丈夫なのがこの製品のいいところだと思います。他の製品だとHDMIが1個とかHDMIのバージョンを下げてケチっていたりすることもあるので、そういった他メーカーの動向を見ると、非常に価格的にも機能的にも頑張っている製品だと言えるのではないでしょうか。
一言でこの製品を言い表すなら、高機能低価格だと思います。おすすめかどうかでいうと、注意事項さえ気を付ければおすすめできると思います。個人的にはこの製品は非常に満足度が高いです。この機能・スペックの製品が10万円程度ならお得感があると思いますよ。
以上となります。お読みいただきありがとうございました。