(追記)アウトランク購入して、実際に内装変速も付けたりしました。この記事自体は購入前に書いた記事ですが、こんな風に考えて改造の方針考えてましたということで、特に本文は変えずにそのまま残しておきます。アウトランクの改造記事は順次更新予定です。一番下のまとめの部分に実行編のリンクを置いています。
今回は久しぶりに自転車に関するお話です。
また自転車を利用する機会が増えそうだったり、車に載せれるお手頃サイズの自転車が欲しかったり、色々な事情があって最近はミニベロが欲しくてたまりません。
そんなミニベロの選定と魔改造計画についてです。
※この手の記事恒例の注意書きですが、こちらに掲載される情報が必ずしも正しいとは限らないこと、また改造自体が推奨できる行為ではないことをあらかじめお断りしておきます。特に今回は魔改造と打っているだけあります。フレームに穴をあけるような改造ではないですが、設計者の意図しないカスタムに部類されるのは間違いありません。
目次
ミニベロの選定基準
ミニベロと言えば自転車乗りの趣向品で、こだわればとても金額は高くなります。加えて、走行性能を重視して451ホイールの自転車にするか、それとも軽量性を重視するか、はたまた折り畳み機能を搭載する必要があるかどうかなど、ミニベロの選定は沼です。
私が、ミニベロを選ぶにあたって重視したいのは、価格と日常使いで問題ないかです。街乗り用にクロスバイクも持っていますが、気分転換に乗れたらいいな程度なのであまり距離を走る予定はありません。
なので、価格はそこまで高くないもので変速があったらいいなと思っていました。ただ、この条件だとホームセンターで販売しているような安い折り畳み自転車と大差がないので、条件としては走りがそこそこ良いことも含めることにします。ただ、車に乗せたいのでたためなくてもできる限り小型の方が良いですね。
あとはこれは重視しませんが、いじり倒せる自転車だったら楽しいかなぁなんて思っています。これに関しては完成車の状態で問題なければいいですが、気になるところがあったら、いじれた方が使い勝手もいいですしね。言い換えれば、カスタマイズできるということは遊べるということですからね。
というわけで私が選ぶにあたって重視した項目はまとめるとこんな感じです。
- 安価であること
- 日常使いで困らないこと
- 畳める必要はないが、車に積めるようなサイズであること
- そこそこ走れること
- (カスタマイズがしやすいこと、遊び甲斐があること)
とこんな感じになっています。
あとは自分のお店であつかいのある自転車の方がありがたいですが、視野を狭めず自分のところ以外でも取り扱っている自転車もしっかり視野に入れるというのは個人的に気を付けたいところです。
TernとかDAHONも当然いいんですが、なんせ高いですからね。もっと安いのがいいです。同業者が見たら「あれで高いはないだろ」と言われそうですが、自転車本体の金銭感覚ぐらいは忘れないでいたいところ。
こんな感じで、できれば本体は5万円以下ぐらいで…という感覚で自転車を探してみることにしましょう。
自転車の候補のお話をする前に、いじりやすさの基準になる規格の話をします。
各部の規格
ミニベロというのはその機能性ゆえに特殊な部品や規格が使われることが多々あります。
DAHON用の自転車用の規格だって、他の自転車から見れば特殊な規格です。
最初に一番改造されやすい後輪の話をします。
基本的に、外装変速がついている自転車というのは改造のしやすい規格であることが多いです。8速以上ならリアエンド幅(O.L.D)は基本的に130mmであることが多いです。ディスクブレーキの車体なら135mmとかもっと色々規格がありますが、基本的には改造のしやすい規格なので問題ありません。
ただし、外装3段変速装備のはいわゆるDAHON規格で、リアエンド幅は85mmというほぼ改造できない規格なので注意してください。専用品を選ぶ以外に改造ができません。ギア比をいじったりするのも難しいのが一番痛いです。
他にはシングルスピードだと120mmや、一般車だとたまに122mmなんてのもあったりします(120mm+チェーン引き)。昔のロードバイクだと126mmとかもあったりします。
基本的に、後輪はDAHON規格は改造は難しいですが、他のサイズなら何かと使われる規格なので改造することが可能です。
次に、前輪ですがこれは一般的にはフロントのエンド幅100mmであることが多いです。ディスクブレーキなら110mmとか。
しかし、ここでDAHON規格が再び登場します。これは74mmで100mmよりも細いです。なのでこれも専用品しかつかないですね。ただ、74mmの規格のハブというのは探せば手に入るので、軽量化などのために車輪を組みなおすというのはできるので、後輪に比べたらましな規格です。
次はシートポスト径ですが、一般車などは25.4mmという太さが使われていることが多いです。ロードバイクなんかは31.8mmとか27.2mmあたりが多いです。一般車でも変わった車体だと、26.8mmのものもあります。
肝心のミニベロは上の規格のどれかの場合も多いですが、他の自転車に比べてシートポストが長く出ることも多いために少し太い33.4mmという規格が使われることが多いです。これもまたDAHON規格です。ですが、ここらへんは軽量化を極めたい人たちが世界的にいるためか、探せばこの規格の部品は出てきます。
シートポストと言えばやぐらですが、これは基本的はほとんど共通の規格なので気にする必要はありません。
なので、シートポストはあまり選定において気にしないでもいいかなといったところ。
次は駆動系に関連するBBですが、これはJISかITAのどちらかがほとんどです。カーボンだと一般的なプレスフィット系もあるみたいですが、今回は関係ありませんね。
電動になると、ドライブユニットが一体になっているものや、ユニットを外すとねじ切りのBBが出てくることがありますが、これも今回は関係ありません。
ここは一般的な規格なのでシートポストと同様にBBあまりに気にしないでいいところです。
クランクについては、これも気にする必要は特にないです。基本的な形はBBに依存するので、BBが大丈夫なので気にしないでOKです。チェーンリングが大きなものがついていることがありますが、探せば出てきます。PCDが110mmでも130mmでも選択肢はたくさんあります。
ハンドルについてはいくつか規格がありますが、基本的には25.4mmあたりの規格であることが多いです。それ以外の規格でも汎用規格であることが多く割と交換可能なものであれば選択肢は多いです。
たまにステム一体型や、ハンドル固定みたいな変な車体もあったりしますが、ここらへんはおすすめしません。交換できませんので。ステムがロードバイクとかと同じようなのがついていることもありますが、これは交換可能なので問題ありませんね。
ハンドルは交換できるタイプなら大体は問題ないということですね。
他にブレーキ周りなどがありますが、これはブレーキの規格によります。それゆえ大半規格品なので部品単位での交換は用意です。
さて、ここで規格の気を付けるべきところをまとめてみます。「X」は特に気を付けるべき、「△」は少し注意、「〇」は特に気にしないで大丈夫なことを表します。
項目 | 気を付けるべき |
後輪 | X |
前輪 | △ |
シートポスト | 〇 |
BB | 〇 |
クランク | 〇 |
ハンドル | 〇 |
ブレーキ | 〇 |
さて、複雑な規格の話を抑えたところで候補のミニベロを紹介します。と言っても今回は価格が価格なのと、サイズも小さめということなのでほとんど選択肢はありませんが…
候補①:RENUALT LIGHT 8
製品ページはこちらです。著作権の都合で写真は代理店のサイトで見てください。
http://www.gic-bike.com/renault/lineup/renault_light8-2019.html
スペックはこんな感じ
BICYCLE NAME | : | LIGHT8(ライト8) |
NUMBER/COLOR/JAN | : | 11263-10 / Orange / JAN:456237337 9320 11263-12 / White / JAN:456237337 9337 11263-35 / Blue / JAN:456237338 0883 |
Frame | : | Aluminum |
Folding Size | : | 665×560×410mm |
Weight | : | 約8.3kg(本体重量:ペダル、スタンドを除く) |
Tire | : | 14×1.75 |
Chainwheel | : | 46T |
Freewheel | : | 11T |
シートポスト径/長さ | : | 33.9Ф/500mm |
サドル高さ | : | 570-880mm |
ハンドル高さ | : | 790-940mm |
Component | : | Single Speed , 鍛造式高さ調整機能付きアルミハンドルステム , ポリッシュリム , ステンレススポーク , スリックタイヤ |
PRICE | : | 本体価格¥40,000(税込¥44,000) |
なお今年は品薄の影響もありますし、代理店在庫もなさそうなので、シンプルに入手が難しそうなものの、値段を見る限りいい感じ。
ただ、この値段で折り畳みってなると、走りに関しては微妙そうだなというのが印象。持っている人が身近にいないので印象を聞いたりするのも難しそう。
所謂メーカー物でもないので、ここら辺も好みが分かれます。車のメーカーの自転車は基本的に許可をもらってシール貼ってるだけです。私はメーカーとかどうでもいいので、条件さえ満たしてくれればOK派です。ただ、ジック取り扱いなのが気になってはいます。あそこの商品は体感での話になりますが初期不良とか多い気がします。問題ないものはいいんですけどね。
スペックで気になることと言えば、書いてはいませんがリアエンド幅85mm、フロントエンド幅74mmというところですね。そのほかシートポストもDAHON規格で33.9mmです。
あとは、この自転車はリア85mmなのにシングルスピードなのも気になります。
定価は表の通り44,000円(税込み)で改造ベースとしては今回は少し高い気もします。
候補②:あさひ LOG アウトランク-L
ここでご近所のサイクルベースあさひの自転車が登場です。まさか他社のPBを紹介することになるとは思いませんでしたが、見た感じ結構良さそうなのと、知り合いからの評判も良い自転車です。
まずメーカーサイトはこちらです。写真はサイクルベースあさひさんのサイトでみてください。このページの電動じゃないほうがいい感じです。
https://www.cb-asahi.co.jp/lp/products/ownbrand/log/outrunk/
スペックを抜き出すとこんな感じ見たいです。
適正身長 | 140cm- |
---|---|
重量 | 8.5kg |
フレーム | アルミ |
ハンドル | アルミ フラット |
変速 | シングル |
前ブレーキ | Vブレーキ |
後ブレーキ | Vブレーキ |
タイヤ | 14×1.95 |
チェーン | ハイガード |
クランク | アルミ |
スタンド | 片足 |
その他機能 | フレーム持ち手 折りたたみステム アルミハブ |
なんかざっくりしていて詳細は分からないので、直接サイクルベースあさひの店頭で色々確認してみます。
その結果、フロントエンド幅は74mm、リアエンド幅120mm、シートポスト径33.4mm、ハンドル径25.4mmということが判明します。
フロントはDAHON規格ですが、リアが一般的な120mmハブが使えます。シートポストはDAHON規格ですが選べそう。
こんなスペックですが、なんとお値段は32,980円(税込み)です。定価が安い!店頭でも同じ価格でした。
色は2色展開ですが、赤は好きですし、アイボリーも無難で個人的には問題ない色でもあります。
こちらはRENUALT LIGHT 8と決定的に違うのが、本体の折り畳み機構が存在しないことです。ハンドルの部分は折りたたんで高さを下げることができます。車に載せれるサイズ感なら問題はないので、本体は畳めなくても問題ありません。
本体が畳めないものの、輪行兼保存用バッグがサイクルベースあさひさんから販売されているため、本体が畳めなくても輪行で使うことができます。
さて、候補スペックが出揃ったところで、次はこの規格を見たうえでどんな規格はやめておくべきか考えて、自転車を決めましょう。
絶対に避けたい規格
ある程度いじれるいじれないの話は先ほどしたので、選ぶにおいて今回は絶対に避けたい規格はどれかをずばり書いておきます。
ちなみに今回の候補は両方ともシングルスピードであることを前提としています。
そうなると、絶対に避けたい規格は一つだけ、それは85mmのリアエンド幅です。
というのも、リアエンド85mm幅はカスタムの余地が少ないと書きましたが、シングルスピードに関しては、本当の意味でほとんど改造ができません。リムを変えて軽量化するぐらいです。
リアエンド85mmには外装3段変速のホイールがありますが、これはリアディレイラーがついてこそなので、シングルスピードの改造には基本使えません。そもそも、リアディレイラーも外装3段用となると特殊ですし。
逆に120mmなら内装3段は使うことができますし、他の海外製のハブを探せばもうちょっと選択肢があるみたいですから、割といじる楽しみがあります。
というわけでどちらが良さげかというのはほとんど結論が出ましね。
選ばれたのは…
さて、色々考慮した結果、選ばれたのは「あさひ LOG アウトランク-L」です!決め手になったのは上で書いたリアエンド幅です。いじる余地がないRENUALT RIGHT 8に比べたらましです。
さらに、所持している人に聞いてみると、クランクを変えるだけでもそこそこ走るとのことで、走りもそんなに悪くないみたいです。
やはり、本体に折り畳み機構がない分、剛性アップに貢献しているのでしょう。定価で考えるなら安い、そこそこ走るとよさげな感じです。
あとは気になるところを変えていけば、そこそこ満足できる自転車ができるので改造計画をたてましょう。
魔改造計画をたてる
私は腐ってもロードバイク乗りなので、スピードや楽さを重視するらために、変速を付けたいというのがあります。
普通の改造計画で済めばよかったのですが、シングルスピードの自転車に変速を付けたいという時点で魔改造です。
というわけで、計画を立てていきます。
まず不満が出てきそうな場所をピックアップしてみます。
- リアホイール
- シートポスト
- サドル
- クランク
- ペダル
- リアスプロケット
- ハンドル
ここら辺がぱっと見で不満が出そうな場所です。
リアホイールは変速を付ける魔改造のお話のメインになるので、いったん後回しにして、それ以外の部分から行きます。
まずはシートポストですが、こちらに関しては、DAHON用の軽量なものを使って軽量化していきます。各部重量を測ってたりしている記事はないので、具体的にどれくらい軽くなるかはわかりませんが、そこそこ軽くはなるはずです。
これはサドル、ハンドルあたりも同様でごくごく普通の規格のなのでここらへんも軽量な部品、座り心地のいい部品などを使って軽量化&使い心地をアップさせます。
ペダルはプラスチックの安っぽいものがついているので、食いつき重視でピン付きのものにするか、軽量さ重視で踏み面が少ないものにするか悩ましいですが、雨の日は基本は乗らなさそうなので、滑りやすくても軽量なのを選ぼうと思っています。
そしてクランクですが、これはできれば2ピースクランクのものや、ホローテックの物に変えられたら嬉しいですが、安く済ませるためにスクエアのを使うかもしれません。今手持ちで一つ余ってますし…
クランク長を長くするだけでも全然乗り心地は変わるはずなので、ギア比はさておき、とりあえずはクランクも交換します。
このとき、乗りやすさを重視して、フロントシングル&バッシュガードを付けるつもりです。
さて、残るは今回の魔改造のメインディッシュの変速を付ける改造についてですね
リアホイール&ギア周りのお話
さて、この記事を読みに来てくれた人の多くはこちらがメインかもしれませんね。これを色々考えて構想を練っていきます。
まず、今回のLOG アウトランク-Lはリアエンドが120mmです。
この規格は一般的には変速なしか、内装3段変速で使われるものになります。
それ以外の内装5段などの内装の多段物、外装変速はリアエンド幅の関係からつきません。今回の車体はアルミフレームなので、強引に広げて居れるのも良くないので止めておきます。魔改造といえどフレームが壊れるのはさすがに嫌なので…
なので変速を付けようと思うと必然的に内装3段を選ぶ必要があります。
調べてみれば、海外の内装ハブでさらに段数が多いものもあるみたいですが、今回はコスパの観点から考えてできれば入手性が良く、安い内装3段ハブを採用する方向で行こうと思います。
ちなみに、14インチ内装3段のホイールというのは市販品では存在しないので手組する必要があります。補修部品だと、DAHON のDove i3用の補修部品で設定がありますが、かなりいいお値段がするのでおすすめはしません。値段は公表しても問題なさそうですが、インターネットにはのっていないので今回は伏せておきます。
ハブの選定
さて、問題はハブはつくにしても、ホイール周り全体のことは考えなければいけません。例えば、スポークのホール数だったり、変速の仕組みだったり、ワイヤーの通し方だったりですね。
順番に形にしていきます。まずはハブの細かい仕様を決めます。
一概に内装3段ハブといっても実は変速の仕組み的には2種類、スポークホール的にも2種類あります。
まず、変速の仕組みですが、所謂強化ハブというやつで、ワイヤーのタイコをハブ本体に引っ掛けるタイプか、プッシュロッドがついているタイプのどちらかです。
ハブ軸にシフトワイヤーの受けを取り付けて、そこからハブに向かってワイヤーを取りまわすのが強化ハブタイプです。しかし、今回のLOG アウトランク-Lのフレームを見る限り、ワイヤーは一般車と違う取りまわしになるのは明らかです。その都合でワイヤーの取り回しがきつくなる可能性もないとは言い切れません。(あとシフトワイヤーを外すのがプッシュロッドのものと比べて面倒です。)
そのため、今回はプッシュロッドがついたタイプにします。これならどの向きに取り付けても正しい引き量でプッシュロッドが押せればいいだけなので、仕組み的にも簡単で安心です。
なので使うハブは現行モデルだと、Shimano Nexusグレードの「SG-3R40」か「SG-3R42」のどちらかです。「SG-3R40」か「SG-3R42」の違いは次で紹介する、スポークホールのパターンなので、これも絞っていきます。
次にスポークホールのパターンですが、これは丸穴タイプと引っ掛けタイプ(蝶穴)のものが設定されています。丸穴タイプのものが「SG-3R40」、引っ掛けタイプ(蝶穴)のものが「SG-3R42」です。
引っ掛け式のメリットはスポークが折れたときに直しやすいぐらいなので、スポーク長の計算のしやすさを考えて、普通の丸穴の「SG-3R40」の方を使うことにします。
次にスポークホール数について考えます。今回、リムはできれば元のリムを使いまわしたいところです。あまり14インチ用のリムって見かけないですし、めったに使う規格の物でもないので、できれば無駄な出費は少しでも減らしたい。
LOG アウトランク-Lは標準のリアホイールのスポークホール数は28Hでした。ラッキーなことに「SG-3R40」には28Hの設定があります。なので、リムを使いまわすべく、「SG-3R40」の28Hを使うことにします。
ブレーキ周りに注意
使うハブが決まったのは良しとします。ですが、実はここに落とし穴があって、「SG-3R40」はローラーブレーキ専用のハブです。
なのでリアエンド幅が120mmの物を買っても、ローラーブレーキを取り付ける前提でハブが作られているので、スカスカで取り付けられません。
アウトランクはVブレーキなのと、特殊なフレーム形状なので、ローラーブレーキも厳しそうなので、ここもどうにかしないといけません。
ちなみに、適当な厚みにナットやワッシャーを入れて調整するのはやめた方がいいです。ローラーブレーキの取付台座部分はローラーブレーキを取り付けることで、防水防塵の役割をしているので、取り付けを行わないと、ハブ内部にすぐにダメージがいきます。
では、どうするのかというと、内装ハブでリムブレーキの車体に取り付けるための防水キャップというのがあります。「SG-3R40」はローラーブレーキ専用なので、そういったものはないんですが、上位グレードの「SG-3R50」などにはリムブレーキ用のオプションとして、左防水キャップというのが設定があります。
まだ試していないのでなんとも言えませんが、ローラブレーキの形状は基本的には同じなので、どの防水キャップでも「SG-3R40」につくはずです。
なので、上位グレードの「SG-5R30」あたりの左防水キャップを買ってローラーブレーキを付けないでも、使えるようにします。
この工程を見逃すと大変です。特に、普段一般車を触らない人だと、落とし穴になっているので気を付けてください。
他に必要なもの
リムに関しては使いまわすので、必要ありませんが、スポークは場合によっては別に買ってもいいかと思っています。そんな高いものでもないですし。
リムのERDも買ってみないとわからないないので、ここらへんは、買ってからスポーク長は計算します。寸法などはSG-3R40なんてありふれたハブなのでいくらでも調べたら出てくるはずなので気にしないでおきます。
これでハブ、リム、スポークには問題ないことがわかったので、ひとまずホイールの形にはなります。
ここで思わぬ落とし穴
ここがもしかしたら一般の方だと一番困ることかもしれません。下調べの段階でいくらぐらいかかりそうか調べるために、部品の値段や在庫を下調べしてたわけですね。
まずはこちらシマノのSG-3R40のページをご覧下さい。
https://bike.shimano.com/ja-JP/product/component/nexus-inter3/SG-3R40.html
ここにはスペックが載っていますが以下のようになっています。
ブレーキタイプ_マウントタイプ | INTER-M |
---|---|
バイクタイプ_マウントタイプ | INTER-M |
バイクタイプ_推奨モデル | BR-C3010, BR-C3000 |
ブレーキタイプ_推奨モデル | BR-C3010 BR-C3000 |
スピード | 3 |
ギア比_トータル | 186% |
ギア比_1 | 0.733 |
ギア比_2 | 1 |
ギア比_3 | 1.364 |
シフティングPOWER MODULATOR | ✔ |
スポーク穴_28H | ✔ |
スポーク穴_32H | ✔ |
スポーク穴_36H | ✔ |
軸長 (mm)_182 | ✔ |
軸長 (mm)_184 | ✔ |
軸長 (mm)_その他 | 170/177/189/192 |
シフト構造 | Low Normal |
P.C.D. 左/右 (mm) | 74 |
駆動効率 | スタンダード |
フランジ径 (mm) | 84 |
フランジ幅 (mm)_左 | 2.3 |
フランジ幅 (mm)_右 | 2.3 |
ギアチェンジサポートメカニズム | ✔ |
O.L.D. (mm) | 120/127/130 |
オフセット (mm) | 0.8(120mm Axle) / 2.5 |
P.C.D. (mm) | 74 |
スポークサイズ | #13/#14 |
フランジ間寸法 (mm) | 53.5 |
これによるとスポークホール数の設定は28H,32H,36Hのすべてで設定があることになっています。
しかし、シマノの注文サイトを見てみると、「SG-3R40」の28Hの仕様のものは販売していません。なんなら32Hも売っていなくて、売っているのは36Hのみです。
もしや数年前に生産終了になっているか?とも思ったのですが、現行モデルのYAMAHA PAS CITY-CやCITY-Xなどの車種には「SG-3R40」の28Hが採用されているので、生産されていないといことはないはずです。
ということは、設定はあるけど、市販はしていないということみたいです。つまり28Hのものが欲しければ補修部品を取り寄せないといけないみたいですね。
調べてないので何とも言えませんが、もしかしたらSG-3R42の方は28Hが頼めるかもしれません。インターネットにも何件か3R42の方なら掲載があったので。
もし、28Hのものが欲しければ3R42にするか、PASとかの補修部品を頼んで入手する感じになると思います。たまに軸長違うやつとかあるのでよく確認しないといけませんが。
まさか設定があるハブの入手が面倒だとは思いもしていませんでした。
シフトケーブルの取り回し
ホイールは形になりそうなので、シフトワイヤーの取り回しを考えます。
基本的に受けがない以上はどこかにくくっていく感じになると思いますが、ブレーキケーブルがいい位置を通っているので、これに合わせてタイラップでくくればいい感じになりそうです。
シフター自体はグリップシフトでも、ピアノタッチレバーでも、どちらでもいいと思います。私はピアノタッチでいってみようかと思っています。面白そうな取付ができそうなのと、あんまりグリップシフトが好きじゃないからってだけです。
あとはプッシュロッドを押すためのベルクランクですが、一般車の場合、これは地面とケーブルが平行になるように取り付けられる場合が多いです。ですが、プッシュロッドを押せればいいので、取り付けられる向きなら何でもOKって感じです。
こんな感じでおそらくケーブル、変速のプッシュロッドは問題なく取り付けが行えそうなので、内装変速取付は問題なく可能なはずです(理論上は)。
ギア比
これは好みが分かれるので何ともって感じではあるのですが、私は少し重めにしようかなと思っています。
「SG-3R40」のギア比は公式サイトからもう一度引用するとこんな感じです。
ギア比_1 | 0.733 |
---|---|
ギア比_2 | 1 |
ギア比_3 | 1.364 |
標準でついているスプロケットは11Tなので、ギア比の影響を受けにくい感じはします。それぞれ数字をかけてみると、約8T、11T、15T相当といった感じになります。
これに38Tのクランクを合わせると少し微妙な気はします。
CATEYEのサイトを参考にすると、14x1.75のタイヤの外周長は「1055mm」、700x25cのタイヤは「2105mm」が目安になっているようです(参考:https://www.cateye.com/files/manual_dl/1/129/Tire_size_chart_JP_151023.pdf)
ということは、14インチと700cを比較すると、同じギア比、ケイデンスなら速度がおおよそ2倍違うということですね。
街中で私が載っているときは50x23-16Tぐらいの間を使っているので、ここらへん相当のスピードが出るといい感じになりそうです。
簡単に計算してみると、フロントのチェーンリングを50Tに換装した場合、リアのスプロケは11Tのままだとちょうど良さそうです。ですが、Inter 3のSG-3R40につくシマノ純正のスプロケットは14Tが最小になっているのでこれを基本に考えるしかなさそうです。
普段使っているスプロケは8Sの13-23Tとかいうやつなのでギアの構成は「13-14-15-16-17-19-21-23T」になっています。少し落差があるかもしれませんが、内装3段なのでここら辺は妥協するしかありません。
14Tだと、700cに置き換えると大体、「20-28-38T」相当のスプロケットになります。同じくらいのギア比にしようと思ったら、ロー側を同じにしようとすると、フロント82Tという市販品では存在しないような、ふざけたクランクが必要になります。なのでスピードを重視して改造するならフロントはできる限りチェーンリングを選ぶのが良さそうです。及第点になりそうな丁数だと62Tならトップ側を700cにしたときに50-16Tぐらいの時と一緒なので及第点。ロー側は50-30T相当ぐらいなので、小径車なのを考えると軽すぎですが、相当きつい坂を上れるので悪くはないかもしれません。
最後の手段としては、スプロケすらも削ったりして自前のを作ってしまうかですね。他のブログを見てると、ボスのスプロケットから削って用意している人もいましたし。
色々考えてみたら手持ちのクランクはどのみち使えなそうです。
何はともあれ、これで変速付けて、ギア比いじってという一連の流れが終わりです。
まとめ
これで内装変速も付く(はず)、ギア比も完璧、そこそこのお値段でそこそこの走りができる、改造も楽しめる最強のミニベロ魔改造計画が完了です!
あくまで計画なので実際できるかは別ですが…一応”規格上は”問題ないはずです。
理論上シングルスピードのミニベロでも強引に変速を付けることができます。
さて、次回ではないですが、いつか実践編もやると思います。お楽しみに。
(追記)アウトランクでやった改造が色々あったので、まとめのページを作りました。参考になる情報が一つぐらいはあると思うのでよろしければどうぞ。
以上です。お読みいただきありがとうございました。
記事読ませていただきました。
アウトランクを中心に車体を検討していましたが、38Tというチェーンリングだけがネックで(^_^;)そんな時ここに辿りつきました。
一つ質問なのですが、クランク交換の際にホローテックⅡの規格はBB交換なくイケるのでしょうか?
ロードバイクならある程度自分でいじるのですが、小径の自転車は全くの素人&複雑で車体選びからしてもうどうにもこうにもな状態でして(^_^;)
教えたいだければ幸いです。
コメントありがとうございます。
アウトランクのクランクの交換については、規格的にはホローテックⅡ規格のものを使うことができますが、元からついているのは別規格(スクエアテーパーかISIS)のBBなのでBB丸ごと交換になります。名前を挙げたBBの規格をご存じなければ検索したほうが詳しい解説が出てくると思います。
一般にクランクの交換に関連する要素はBBのねじ切り(ITAかJISか)とシェル幅(JIS:68かITA:70mm)、チェーンラインですね。
シェル幅はたまにあるママチャリ規格の70mm JISパターンだと交換できないですが、ここは完全には確認していません。ただ、ホローテック規格のクランクを付けている人がいたので間違いなく付ける方法自体は存在するかと。
一番問題になりそうなのがチェーンラインなのですが、上述の通り、ホローテック系統のクランクを付けている車体を見たことがあるので、一応実用的な範囲で交換が可能かと思います。もちろん厳密な真っ直ぐを求めだすと難しいかと思います。ここは自転車乗りあるあるの自己責任の範囲でというやつですね。
内側か外側にチェーンリングをつけるかでも調整は効くので、チェーンラインが斜めすぎて使えないということだけは無いかと思います。
これまでが所謂規格的な話ですが、実際のことろ、小径車の改造はチェーンリングが大きすぎるとチェーン落ちが頻発するなんてこともあったりしますので、結局はやってみないことには結果はわからないです。
それ以外に、アウトランクは気にする必要がありませんが、別記事で比較に出しているように折り畳み機構に干渉しないようになど、物理的な干渉にも気を付けなかったりと、ロードバイクとは違って規格があっているからうまくいくとは限らないですね。
早速の返信ありがとうございます♪
やはりBBも交換ですよね(^_^;)
「自己責任」に関しては…ロードでショップから追い出された段階で慣れっこなのでwお気遣いありがとうございます♪
本当に細かいところまで教えていただいたことに驚きましたが、自分でできる範囲っぽいので一安心です♪
記事を参考に変速機はゆくゆく考えるとして、クランクは交換しないと話にならない車体なのでとても参考になりました♪
本当にありがとうございました
そうはいっても、BB自体は2000円も出せばシマノの105グレードが買える程度の物ですから、気にしすぎなくても良いとは思いますね~
「自己責任」の下りはあるあるすぎて、ブログに書く時のおまじないみたいになってますw
この話が参考になったのでしたら幸いです。クランク周りはロード乗りの方ならいじれる方が多いと思いますし、やることは同じなので大丈夫だと思います。
変速の方はロードではしないようなことが多いと思うので最初のうちは難しいかもです…
ですね(^_^;)
ロードなら組み方覚えるときにコンポは50回超バラして組んでをやりましたが、小径車買おうと思った当初「もう完成車+ホイールでそこそこ走れるでしょ?」とか甘い考えしてましたw
ロードなら安い車体でもBoraやRovalあたり組んでも、それで下手な装備より速かったりしますが…規格が多くて小径になればなるほど奥深く舌を巻きます(^_^;)
まぁ、だからこそイジれないDAHON規格とかも考えましたが絶対飽きて後悔しそうなのでw
小径車もいいのを買えばそこそこ走ってくれるんですけどねwでもサブバイクにそんなお金かけたくないし…と、どうしても妥協案を探す形にはなっちゃいますよね
ロードは高性能な完組ホイールがありますし、レース機材なので交換も考えて簡単ですが、小径車はそれとは真逆の立ち位置ですしね。
DAHON規格でさえなければ割と遊べたりするのは大きいんですよね…リライトのエンド幅が120mmとかだったら嬉しかったのになぁなんて思ってます。
目を皿にして一気に読んでしまいました
OUTRUNKの内装3段はほんと理想的です
おまかせで申し訳ないですが教科書にしたいです
完成お待ちしております
コメントありがとうございます。
実は既に実走行可能な状態にまで来ていたりします。ただ、他のカスタムもやっていたり、シンプルに記事を書く時間が少なかったので今月中に書き上がったらいいな程度です。
教科書にしたいと言っていただいてありがたいのですが、初歩的な内装変速の調整とかは記事に含まない予定です。
なので、ある程度知識はいるかもしれませんがお待ちいただけると嬉しい限りです。